資格ではなくシステムを作れるかどうかだ!と言うけれども

 もう20年以上前からプログラマやSEが現場で資格試験について議論になると、「応用情報技術者試験とか資格を持っているかどうかではなく、要はプログラムやシステムを作れるかどうかだからね。」と言う発言をするのを聞いて来ました。

 その発言の後はお決まりのように「でも僕も持っているけどね、応用情報技術者試験にプロジェクトマネージャ試験」と言った発言が続きます。

 この発言で容易に分かるのは自慢している訳です。

いわゆるぶっているという事ですね。

資格取得の方が、実践レベルのスキルより易しい。だから自分は高い実践力を持っていると言いたいのでしょう。

その理屈から言っても、資格は当然持っていて当たり前でしょう。

 ところがプログラマ・システムエンジニアで基本情報技術者試験や応用情報技術者試験を持っていない人が実に多いですよね。

 スクールに通ったり、大手企業で半年、1年などの長期新入社員教育を受けてこなかった独学プログラマに多いように思います。

就職、転職に驚くほど力を発揮する資格

 私は大学を卒業して以来25年以上プログラミング教育を職業として来ました。
その長年の経験から言える事は「相当に経験のあるプログラマやシステムエンジニアでも転社の際には資格がものを言う」という事です。

 応用情報技術者だけでなくオラクル・ゴールド(Oracle Gold)や、日商簿記1級などは高く評価されます。

資格マニアでは無く、商業ビジネスや技術を深く理解しているかどうか!

  富士通の子会社のソフトウェア制作会社の社長が以前話してくれたのは「富士通には400名以上のシステムエンジニアがいるが、資格を持っているものは非常に多い。
 オラクルにしてもそれ以外の資格でも。
 しかし、日商簿記1級を持っていて金融や証券など商業の業務内容を理解して設計図を描けるようなSEは本当に稀だ! ほとんど全員描けないですよ。
 私はそういうSEを資格マニアと呼んでいたのです。

 簡単なお話でしょう?

 プログラマは簿記会計や商業実務、証券や金融の取引きの知識・技術を元々苦手にしています。
 アレルギーを持っていると言っても良いでしょう。
 しかし、これに精通していないと最も需要の多い企業の基幹業務システム(経理や販売管理、在庫管理、オンライン証券などのシステム)は作れない訳です。

 かといって、POS端末やデータベースの深いところまで精通しているかというとそうでもない。

 この2つを持っているSEの事を社長さんは『ピカ一』と賞賛していました。

 資格や将来に向けてのスキルアップのために是非、これらの話がを参考になれば幸いです。

おすすめの記事